ピアノとの対話

今レッスンを受けている場所(姫路恵教会)には、たくさんの鍵盤楽器があります。

まず通常のグランドピアノは2台。
更にグランドピアノ2台を組み合わせたペダルピアノ(1台は足鍵盤用)。

そしてチェンバロ。(他にも電子チェンバロや小型のオルガン類も)

つまりペダルピアノに使っているものも合わせたら、グランドピアノだけでも4台あるわけです。
ペダルピアノは私の手には負えないので演奏機会はありませんが、グランドピアノ2台とチェンバロは弾かせてもらっています。
チェンバロは今年度、他の場所で講習を受け始めたので、練習に使わせてもらっています。

さて、2台のグランドピアノですが、性格の全く異なる楽器だと言えます。

1台は先生がドイツで入手した(昔の先生が亡くなられた後、譲っていただいた)ベーゼンドルファーです。
タッチの感覚が優しく、丸みを帯びた音が心地良い楽器です。

もう1台はヤマハなのですが、私もお世話になっているタカギクラヴィアに依頼して、昨年オーバーホールしてもらったばかりです。
スタインウェイ的な性格を持つ楽器に生まれ変わりました。
タッチへの反応が早く、また音域による音色の違いもあり、演奏に色んな可能性を提示してくれます。

先生曰く「ベーゼンドルファーはクラウン、ヤマハの方はフェラーリ」
クラウンは安心感があるのに対し、フェラーリは乗りこなすのが少し難しい…けど乗りこなせたら気持ちいいよ、楽しいよ、という感じです。

最近のレッスンでは2台のピアノを行ったり来たりして、その違いを受け止め、どう反応していくのか…ピアノと対話するような体験をさせてもらっています。

「そう来るのか…」と自分を整えて弾いてみると、ちゃんとそれに応えてくれる。
「じゃあこれならどう?」とタッチを変えてみる…。

そんな対話をピアノとしています。

そして我が家にも性格の違う2台、スタインウェイとカワイがあります。
家での練習でもピアノを変えてみると全然違うのです。
出来ていると思ったことも、楽器を変えてみると「もしかして楽器に助けられてただけ?良くないよ…」なんてこともよくあります。

通常ピアニストは他の楽器奏者と違い、演奏会の際自分の楽器を持ち込む事は出来ません。
なので、会場にあるピアノと僅かなリハーサル時間の間に仲良くならないといけないわけです。

ただ弾くことに集中するのではなく楽器の反応に感覚を開く、つまりピアノと対話する、そしてそれに対して自分を整えていく、ということを普段の練習からしておくのは、凄く大切なことだと感じています。



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