何を目的にして練習に取り組む?

かなり前の話になりますが、レッスンの始めにまず1回曲を通して弾いた時のことです。

「はぁ~上手く弾けなかったわぁ…」と思っていると、先生に問われたのは「今の演奏は何を目的にして弾いたの?」と…。
当時の私には、どういうことなのか「???」でした。

最初から最後まで通して弾くこと自体が目的であったのなら、成功だよね。
だけど例えば、どれだけ音楽に深く入るかとか、イメージした音色を実際に音にできるかとかが目的だったのなら、出来なかったということになるよね。

「そんな事気にしたこともなかったよ…」と目から鱗が落ちたような出来事でした。

そもそも「上手く弾く」と言いながら、それはどういう事なのか曖昧すぎて何が出来て何が出来ていないのか、ということすら自覚できていなかったのです。
そのような状態では、いい演奏をする事はおろか、どのように練習に取り組めばいいのかも分かっていなかった訳です。
毎日時間を掛けたところで「何となく」弾いているだけになっていたのだと思います。
もちろんその時は真剣に練習しているつもりだったのですが…。

クリアすべき事柄はたくさんあります。
フレーズの自然な歌い方、調性や和音の色を表す、曲の流れを決定づける脈の取り方や速さ、曲全体をひとつにまとめる…などなど。
始めからそれら全てに意識を張りめぐらせて練習をするのは、かなり難しいことです。
というか、普通の人には無理です。

そこで「何を目的にするのか」絞り込んで練習に取り組むことが大切になってきます。

そのようにして1つずつ課題をクリアしていく、と聞くとすごく時間が掛かると思うかもしれませんが、結局これが一番早く質の高い演奏に近づける方法なのです。

時々「何回も練習を繰り返せば、慣れてきて上手く弾けるようになりませんか?」と訊かれたりするのですが、「いい演奏をする」と「スラスラ弾ける」というのは全然違うことなのです。

「何となく」の練習は結局何も得られない練習になってしまいます。
またそれはあまりにも効率の悪いやり方なので、練習は目的を絞り込んで行うことをお勧めします。



Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です