ドイツでルートヴィッヒ先生(私が師事しているシュニーベルガー先生の先生)のマスタークラスを受講した時に印象的だったこと。
「(低い声で)Ba~~~!はい、真似して!」
「…ba~…」
「違う!Ba~~~!」
「Ba~~…」
「よろしい。じゃあそれをピアノでやって!」
「えっ??」
これは何?と思ったのですが、特に女性が低~い声を出そうとすると、体のどの辺りから声を出そうか、重心はどこに持ってくればそれらしくなるのか、息づかいはどうすれないいのかなど、自分の中の感覚を探すことになります。
ピアノの音を発するときに、そういう感覚を使っているかというと…何となく弾いているだけだとその時思いました。
楽譜に書かれている音(鍵盤)を何も感じずに押さえても、ピアノという楽器は音が出せます。
でもそれで出した音は、「なんとなく」出した音でしかなく、その楽曲の中で相応しい音、表現したい音にはなっていません。
どんな音を出したいのかイメージすること、その音を出すための感覚を探すことはとても大切なことだと教えられました。
曲を弾くことばかりではなく、自分の声や聞こえてくる音をピアノで真似てみるといい、「ピアノで遊びなさい」という言い方をされました。
「馬に乗りたければ、まず馬をよく知って仲良くなることから。まずはピアノと仲良くなりなさい。」と。
手っ取り早く曲を弾けるようにひたすら弾く!という練習の仕方では、ピアノは応えてくれない…ということに気づかされた経験でした。
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