7~8年前からコンサートでの譜めくりを度々するようになりました。
譜めくりなんてページの終わりまで曲が進行したらめくれば良い…という単純なものではないのです、実は。
一番多く譜めくりをしているのは師匠、シュニーベルガー先生の演奏会です。譜めくり体験も人前での演奏と同じ、という指導なのだと何度かやっているうちに気づきました。
先生曰く「譜めくりさんは緊張している演奏者を落ち着かせることも、その逆も出来る」と。
譜めくりは色んな意味で緊張を伴います。始めて見る楽譜、知らない曲に本番の場で出会うというのは当たり前です。
(余談ですが私くらいの年齢になってくると目が見えづらい、紙1枚をサッと取れない、という失敗するかもポイントが増えてきます…泣)
でも例え緊張していたとしてもその緊張感を演奏者に移してしまわない空気感を醸し出すというのがとても大切です。隣にいる人がオドオドしていたら演奏者は不安になり、その存在を邪魔に感じてしまうことすらありますから。
他にもプロ演奏家の譜めくりをさせていただいたことも何度かありますが、人によってめくって欲しいタイミングなどが違っていました。
演奏するときは今演奏しているところより少し先を見ているのですが、どのくらい先を見ているのか…が人によって違っているのです。
ある時私のペースでめくっていたらページが変わった瞬間「あれ?一瞬目が泳ぐ?」と感じたことがありました。リハーサル中だったので「もしかして、めくるの遅いですか?」と訊いたら「もう少し早めにめくってもらえますか?」と言われました。
またある時「もう少しバッ!と(素早く)めくってもらえます?」と言われたこともありました。
目の使い方(見方)が人それぞれだということです。
緊張する状況で冷静に落ち着いて対応することが必要なのですが、これは自分が演奏する時と全く同じ感覚なのです。
譜めくりによって、自分は演奏していないのに本番の体験を積ませてもらっているようなものだと思っています。
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