「クラシック音楽では楽譜は絶対だから、勝手に自分で変えて弾いてはいけない。」
子供の頃に受けた指導はそういうものでした。指使いに関しても書いてある通りに弾いていないと注意されたものでした。もちろんピアノ演奏における原則的な指使いはあり、それは正しく出来ないといけません。だから初歩的な場面では「書いてある通りに弾きなさい」は正しい指導だったかと思います。
ところが曲が進んでくると、楽譜通りが必ずいいとは限らないということが分かってきました。出版社(編纂者)によっても指使いは違っています。
また、優れたピアニストの編纂したものであっても自分の手に合わないこともあります。手の大きさ、指の長さは人それぞれなので、手に合う指使いというものがあります。自分の手に合う指使いは自分で見つけないといけません。
自分に合う指使いを探す際、一番大切にしないといけないのは音楽的にきれいに弾ける指を選ぶことです。指が足りるか、手が届くかということだけで決めるのは良くありません。指使いによっては意図していない音にアクセントが付いてしまったり、フレーズの歌い方が不自然になってしまう事があります。
あくまで音楽的なことを優先したうえで、自然な手の形、手首の動きになるように留意して指使いを選ぶのが重要なポイントになります。
指使いは譜読みの段階でなるべく早く決めて、楽譜に書き込むのがおすすめです。
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