レガート奏(2)~手首の使い方

本当のレガートは思っている以上に難しいものです。単に音が繋がっているだけではレガートとは言えません。特にピアノという楽器は構造的には打楽器ですので、音と音を滑らかに繋ぐのはとても難しいことなのです。

参考:レガート奏(1)〜感じ方

打鍵する瞬間だけでなく伸びている音(音と音の間)をよく聴くこと、感じることが出来るか…というのが最大のポイントなのですが、もう一つの大きなポイントとして手首の動きも大切です。

「弦楽器奏者が両手でやっていることをピアニストは片手でする」

これはドイツでの夏の講習会(マスタークラス)で教わったことの1つです。

弦楽器奏者が弦を押さえる左手の動きをピアニストは指先で、弓を動かす右手の動きは手首でする、という意味です。

弓はフレーズによって動かすのが基本だそうです。

弦を押さえる指は音符とともに細かく動きますが、弓はその細かい音符は刻まず一繋がりの動きをします。

ピアノに於いてもフレーズを歌いたい時、手首は1音ずつ動かすのではなく、フレーズに合わせて一繋がりの線を描くように動かします。

感覚的には手首は横方向に(弓の動きを真似るように)動きます。指使いとともに自然な動きとなるように、そして動きを止めずに曲線を描くように意識することで、音と音の間に意識が向く手助けになってくれます。 その時も動きだけに集中せず、耳を開いてしっかり音を聴くように心がけると、打楽器的ではないピアノ演奏に近づくことができます。


Tags:


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です