本当のレガートは思っている以上に難しいものです。単に音が繋がっているだけではレガートとは言えません。特にピアノという楽器は構造的には打楽器ですので、音と音を滑らかに繋ぐのはとても難しいことなのです。
参考:レガート奏(1)〜感じ方
打鍵する瞬間だけでなく伸びている音(音と音の間)をよく聴くこと、感じることが出来るか…というのが最大のポイントなのですが、もう一つの大きなポイントとして手首の動きも大切です。
「弦楽器奏者が両手でやっていることをピアニストは片手でする」
これはドイツでの夏の講習会(マスタークラス)で教わったことの1つです。
弦楽器奏者が弦を押さえる左手の動きをピアニストは指先で、弓を動かす右手の動きは手首でする、という意味です。
弓はフレーズによって動かすのが基本だそうです。
弦を押さえる指は音符とともに細かく動きますが、弓はその細かい音符は刻まず一繋がりの動きをします。
ピアノに於いてもフレーズを歌いたい時、手首は1音ずつ動かすのではなく、フレーズに合わせて一繋がりの線を描くように動かします。
感覚的には手首は横方向に(弓の動きを真似るように)動きます。指使いとともに自然な動きとなるように、そして動きを止めずに曲線を描くように意識することで、音と音の間に意識が向く手助けになってくれます。 その時も動きだけに集中せず、耳を開いてしっかり音を聴くように心がけると、打楽器的ではないピアノ演奏に近づくことができます。
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