「耳を開く」~目と耳

目が耳の邪魔をしてしまうという事があります。演奏するとき、楽譜や鍵盤(手元)を見すぎると聴く力が希薄になるということがあります。

見ることに集中している人に話しかけても気づいてもらえない、という経験はありませんか?
または集中して聴こうとする時に無意識に目を閉じているという経験もあるのではないでしょうか。
演奏家が目を閉じて、あるいは宙を見つめるように演奏している姿を見たこともあると思います。聴くことに集中している時に起こることだと思います。

目と耳、その集中力は両立しないようです。

ピアノ演奏をするとき、私は曲を暗譜した方が音を聴く集中力が上がります。楽譜から離れたら気づく響き、音楽の流れなどもあります。
必ず暗譜しないといけないとは思いませんが、楽譜を見て演奏する場合であっても、楽譜にかじりついているような状態では耳が半分しか働いていないと感じます。

どちらかというと楽譜を見ることが下手な私は、先生から「もう少しボーッと見られない?」と言われることがあります。見すぎる事によるマイナス面を指摘されているのです。

また以前ビデオで自分の演奏する姿を見て「そんなに鍵盤を見なくてもいいのに…」と思ったことがありました。それからしばらくは鍵盤や手から目を離すことを意識しながら練習しました。
するとその分意識が耳に向かうようになりました。

「耳を開く」という感覚に気づくこと、それに対して努力をすることは、良い演奏に近づく鍵となります。


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