フォルテピアノの体験

フォルテピアノという楽器をご存じでしょうか?

ピアノの前身と言えばチェンバロですが、この楽器は発音機構がピアノとは全く違っています。
ピアノが弦を叩いて鳴らすのに対して、チェンバロはツメで弦を弾いて音を出します。
(この楽器も勉強中です)

チェンバロの次の時代に登場したフォルテピアノは弦を叩く形に進化した楽器です。
このことにより音の強弱が付けられるようになりました。
楽器の名称も「フォルテ(強い音)もピアノ(弱い音)も出せる楽器」という意味です。

現代のピアノ(モダンピアノ)はメーカーによって多少の特徴はあるものの大きな違いはありません。

ところがフォルテピアノは製作家がしのぎを削って楽器を進化させていった過程が現れていて、構造、音、弾き心地などが楽器(製作家=メーカー)によって驚くほど違っています。

モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパンなどの作品はこういう楽器で作曲されたのです。

我が家のスタインウェイでお世話になっているタカギクラヴィアはこれらの楽器も所有されていて、持ち込みコンサートなどに使用されています。

先日東京に行く機会があり、帰りの新幹線までに2~3時間ほど時間に余裕があったので、社長の高木さんに「演奏会で弾いたモーツァルトをプレイエルで試してみたいんですけど…」と訊いてみたところ、快くOKしてくださいました。

渋谷のタカギクラヴィアを訪ねると、通された部屋には驚いたことにフォルテピアノが3台も置かれていました。
用意してくださったのは1825年製のヨハン・クレーマー、1841年製のエラール、1843年製のプレイエルでした。

「好きなだけ弾いていいからね」というお言葉に甘えて1時間以上楽器を変えては弾いてみるといった練習をガッツリさせていただきました。

作曲家の生きた時代に近い楽器で弾いてみると、その音楽が持っている自然な歌い方、装飾音の意味などが分かるような気がしました。
楽器が音楽的な理解を助けてくれました。

ただ、その時代の楽器なら鍵盤も軽いし楽に弾けるはず…という思惑はちょっと裏切られました。
そんなに単純なものではありませんでした。

3台の楽器それぞれに特徴があり、難しい(意外と弾きにくい)と思う点、弾きやすいと思う点なども楽器によって違っていました。

それぞれの楽器に合ったタッチの感覚と、曲そのものが持っている表現を探求した楽しい時間でした。

貴重な機会を与えてくださった高木さんには感謝しかありません。

こういう楽器を弾く機会を得ることは簡単ではないと思いますが、最近はこういう楽器を使用したコンサートはかなり増えてきています。

ご興味のある方は是非コンサートで聴いてみてください。
モダンピアノとは違う曲本来の姿を感じることが出来ると思います。



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